kiso_I_2_O_ab_体温調節中枢_熱の産生と放出の機序

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体温調節について説明できる。
Isamu Konishi
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Isamu Konishi
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<ねらい> 体温調節について説明できる。 a 体温調節中枢 体温調節中枢は視床下部にある。 b 熱の産生と放出の機序 体温 人は恒温動物であり、環境温度が変化しても身体の中心の温度は36~38℃に保持されている。体温は、午後3~6時ころに最も高くなる日内変動(日周期)がある。 直腸温は口腔温より約0.5 ℃高い。深部体温(核心温度=直腸温)は腋窩温より約0.8 ℃高い。子供の体温は成人よりも高い傾向がある。一般に、男性は女性よりも皮膚温が高い。 温度低下による変化 環境温度の低下による変化は、皮膚血管の収縮、血圧の上昇、体熱産生の増大、立毛筋の緊張(収縮)、熱拡散の抑制などである。 体温上昇による変化 体温の上昇による変化は、皮膚血管の拡張、熱放散の増加、血液粘性の低下、代謝の抑制、発汗の増加などである。熱産生が熱喪失より大きくなると皮膚の動脈は拡張する。 熱産生 熱産生は主に骨格筋で行われる。1日の熱産生量は、骨格筋(59 %)、肝臓(22 %)、呼吸筋(9 %)、心臓(4 %)、腎臓(4 %)の順に多い。産熱において、代謝エネルギーの75 %以上が体熱となり体温維持に働く。 甲状腺ホルモンは熱産生量を増加させる。アドレナリン(交感神経ホルモンの一つ)は末梢血管を収縮させ、耐熱の放散を抑制する。 熱放出 放熱において、輻射(放射)熱(電磁波、主に赤外線としての熱放散)、伝導熱(熱が直接接している物体へ移動していくこと)、対流熱(体表に接している空気が熱の伝導で暖まり、上昇し、温度の低い空気と置き換わって空気の流れが生じること)は受動的な熱喪失の機序である。 積極的な熱喪失の機序には、蒸発熱(水の気化潜熱)がある。汗が皮膚上に液体として認められる前に蒸発する場合を不感蒸泄(散)という。安静時には、体温調節とは直接関係なく不感蒸泄(散)を生じている。ヒトの1日の不感蒸泄量は約800~1200g(呼吸器から約30 %、他は皮膚から)である。熱産生と熱放出のバランス熱産生が熱喪失より大になると、発汗の増加(蒸散による皮膚からの熱放散増大)、皮膚血管拡張が起こる。逆に、熱喪失が熱産生より大になると、発汗の減少、代謝亢進、皮膚血管収縮、身震い(不随意の筋収縮)が起こる。身震いは熱産生を増やす。 発汗 発汗は熱放散を促進する。発汗による水の蒸発で約580 cal/gの熱が放散される。大気温が高い(35 ℃)ときには、熱喪失の90%以上が発汗(蒸散)によって行われる。(低い(24 ℃)ときには、放射(67 %)の次で23 %) 汗を分泌する汗腺には、エクリン[汗]腺(小汗腺)とアポクリン[汗]腺(大汗腺)がある。エクリン腺は、手掌、足底、顔面などの露出部に多く、アポクリン腺は導管が毛包に開口し、腋窩部、外耳道、乳輪、肛門周囲から外陰部にかけてよく発達している。 汗は98 %が水であり、その他に食塩0.3 %、乳酸0.07 %、尿素0.03 %、微量のアンモニアを含んでいる。水1 ml(mg)の蒸発が30 ℃で起こると0.58 calが失われる。このことから、汗1 g(1000 mg)の蒸発で、約580 calの熱が放散されるといえる。

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